年が改まつてから『ウルトラ銀河伝説』と『MOVIE大戦2010』をまた見てきたんですが。しかもハシゴ。
『MOVIE大戦2010』については、こちらの記事にぼくも同意。
『ウルトラ銀河伝説』だけど、考へてみたら思ひ切つた作品である。
いままで、「光の国」、純粹な正義の世界だとされてきたウルトラの星にかつてとはいへ惡が存在してゐたことにしてしまつたから。ベリアルはその名のとほり光の国の「堕天使」である。またゼロは、道を踏み外しかけたもののウルトラ戰士として立ち直れた。
ウルトラマンは、これまでは「光の国」の天使、正義の使者であつた。しかし決してウルトラマンといへども生まれついての正義ではない、「神」ではないことが明らかになつたのである。ゼロとベリアルは、今後の展開もありさうな雰圍氣だが、ウルトラマン自身の「正義と惡」をテーマにしたあらたな物語が描かれるのではないか。
むかしのマンガで屋臺で管巻くジャック、なんてのはありましたが。
「仮面ライダーアマゾン」だとかうなります。
前にも書いたけど、『The 4th Kind』、といふかその題材についてもう少しツツコミたい。
『The 4th Kind』はこれまた前にも書いたとほり、「記録映像」と「再現映像」を巧みに構成し、また随所に登場するタイラー博士「本人」の憔悴しきつた、文字通り幽鬼のやうな顏が恐怖を増幅させ、ホラー映畫としては1級である。
しかし、「モキユメンタリー」として見るとどうか?
映畫はアブダクシヨン、つまり宇宙人による拉致を題材としてゐるのだけど、アブダクシヨンそれ自體については、以下の文章が當を得てゐるだらう。
もし宇宙旅行をするほど賢いものが現代にいるとするなら、おそらく古代や中世にも、それら同じぐらい知的な存在がいて、同じように宇宙旅行をしていたことだろう。ところが、古代や中世の妄想にはエイリアンや宇宙船を登場させて語ったものはなかった。なぜなら、エイリアンも宇宙船も、今世紀になってつくられたものだからである。美人を誘惑するために神が白鳥の姿を借りたとか、悪魔が修道女を孕ませたとかいった思いつきを、私たちはあざ笑うことができる。というのも、こうした思いつきは私たちの文化的先入観や幻想とは相容れないものだからだ。おそらく古代や中世の人たちからすれば、よその惑星からやってきたエイリアンに拉致されてセックスや生殖手術をされたなどといった主張をこそあざ笑うだろう。誘拐体験者の言い分を今日誰もが深刻に受け取るのは、彼らの妄想が、私たちの文化的信念、つまり銀河旅行は現実に可能で、しかも宇宙にいるのは私たち人類だけでない可能性が非常に高いという信念と、必ずしも相容れないものではないからにすぎない。こうした信念のない時代であれば、誘拐話のような主張を真面目に受け取る者はいないだろう。
で映畫自體へのツツコミなんだけど、劇中、ミラ・ジヨヴオヴイツチ演じるアビゲイル・タイラー博士(以下アビー博士)自身もアブダクシヨンにあつてしまふ。そのとき偶然アビー博士が持つてゐたヴオイスレコーダのスイツチが入つてて、宇宙人の聲と思しきものが録音され、それが古代シユメール語であることが明らかになる。
...宇宙人の言葉つて6000年間變はらないんだ。
宇宙人はアビー博士をはじめとする被驗者らを拉致するが、家に大勢で押し入つてゐるにもかかはらず、隣に人が寢てても氣附かないくらゐ隠密裡に攫つていく。なのにアビー博士の娘を拉致する際は、家の上空にこれ見よがしにUFOでやつてきて、屋根も透過してしまふキヤプチヤビームでさらつていく。
氣附かれたくないのか氣附いてほしいのかどつちなんだ。「古代シユメール語」で「ワレラ・カミ・テウサ・ハカイ」とかなんとか、目的を思はせぶりに言つてくれるし。
「宇宙人の思考や価値觀は地球人とは違ふのだから、地球人から見て行動に整合性がなくても不思議ではない」とか「アドホツクな假説」をいはれさうだけど。
前述のヴオイスレコーダのくだりで、アビー博士は夢中で床に爪を立てるんだけど、そのとき片手にはヴオイスレコーダを握りしめたままなのである。ヴオイスレコーダなんかほつて兩手でやつてれば助かつたかもしれないのにねえ。
ホラーとしてなら文句なしにこはい。しかし「モキユメンタリー」、つまり「もつともらしいウソ」としては以上のやうに「?」である。
もしくは
だよねベリアルつて。
だけどそもそもエヴァはウルトラマンや巨神兵が元ネタなわけで、巨神兵は庵野監督の師匠である宮崎監督版ウルトラマンなわけで、でエヴァがウルトラマンに取り入れられた、つてことは「1周」した?
ゼロのデザインも、2本角だからか、ウルトラマンといふよりはガンダムつぽいな。中の人のせゐかもしらんけど。
キング役が小泉純一郎といふことでも話題を集めたけど、意外とうまくてハマリ役だつた。チヨイ役かと思つてたら要所要所でいい役所をつとめてゐた。現役時代を彷彿とさせる演説シーンもあつたし。ひよつとしたら最初はチヨイ役だつたけどけつこうハマつてたんで出番増えたとか。
この作品のテーマはズバリ「善と惡の戰ひ」。それはウルトラマン對怪獸、といふことにとどまらず、主人公であるゼロやレイ、そしてベリアル自身にも當てはまる。「勧善懲惡」、善を勧め惡は懲らしめられるさまを照れることなく描いてくれるから、ぼくはウルトラマンや仮面ライダーを見るのである。
それにしても同じく「宇宙」をテーマとした作品なのに、同日に見た「The 4th kind」との違ひはなんだらう。宇宙は「未知」の世界であり、それは「恐怖」と「あこがれ」につながる。「4th」と「ウルトラマン」はその兩極にあるのだらう。
ナベアツとスネークマンショー。
いや、「勝手邦題」が更新停止しちやつてるんで、ネタをこつちで發表。
實は「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」とハシゴして見たのよ。で、「大怪獣」をあとに見て「厄拂ひ」をしたかつたんだけど、上映時間の都合でこつちをあとに見てしまつた。
おかげで「大怪獣」であがつたテンシヨンすつかり落ちちまつた。ホラーだつたことと内容自體に。
何が怖いかつて、「記録映像」で監督のインタヴユーに答へてゐるタイラー博士(本人)の顏である。憔悴しきつたあの顏は眞實味を演出し、この映画の怖さをかなり増幅させてゐる。
モキユメンタリーとして、「再現映像」と「記録映像」をあはせて見せる、といふ手法はおもしろい(最初の森のシーンは「ブレアウィッチ」を意識?)けど、内容がねえ...ぶつちやけネタバレしちやふけど、「ムー」が好きならおもしろいんぢやないですか。
仮面ライダーがいつぱいでてきてよかつたです。
おやつさん=スカルの吉川晃司がかつこよかつたです。
あと最近氣附いたんですが、テラー・ドーパントが寺田農さんなのは狙つてるんでせうか。
「リハーサル」でこれだけ魅了させられるのだつたら、「本番」はどれほどだつただろう。
6回目。
どんだけ「エヴァ」好きなんだおれ。
まーでもBS11の再放送も全話見たしな。14年たつたのか...
にしても、<!-- 以下ネタバレにつきコメントアウト -->
4回見ました。
音樂も氣に入つたのでサントラを買いました。聴いてゐると各シーンを思ひ出してしまひ、また見に行つてしまひました。
都合、5回見ました。
「序」がTV版のダイジエストであつたのに對し、「破」は基本的なストーリーは變はらないものの、餘計な物は削ぎ落とし、しかし新たな要素も加えて物語に擴がりが増してゐる。
しかし月の血痕は、<!-- 以下ネタバレにつきコメントアウト -->
あと「正かな派」としては、「ヱ」と「ヲ」はいらんだろ、と思ふのですが、いやこれにも意味があるのか? どうも「エヴァ」は勘ぐつてしまふ。