以前ゴルゴ好きの友人が、「最終回」を考へてくれた。友人に許可を得て轉載します。
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- ゴルゴ813
ある国に潜入し、見事 依頼は果たすゴルゴ。
だが動き出した警察機構は優秀かつ強引で、急速に捜査の輪が狭ばまる。
出国しようとした空港で、ただならぬ気配を感ずるゴルゴ。
細い葉巻をくわえ、おもむろに洗面所へ向かう。
疑い、というより確信をいだいてはいたが、これまでの実績を思い浮かべ 手を出しかねている公安達。
包囲はしても、応援を呼びつつ踏み込む事を躊躇う。
不老に見えるゴルゴ。しかし やはり、老いていた。
身を覆うように着けていた“張りぼて”を剥ぎ捨てると、だぶだぶの服を身に付け、よぼよぼ歩く老人の姿で外へ。
タクシーも拾わず、鉄道の駅に…。
〔張りぼて共は、トイレの先〕
(見失った捜査員どもがオロオロする様子は、蛇足じゃないかな)
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- サイド(?)ストーリー
世界各地から子孫を呼び集め、暗殺スクールを開く。
だが70年の子供は既に40。
早い方からは、孫を集めるハメに…。
子と、それより ずっと多い孫達を鍛えて5年。
皆 まだ成人前だが、既に一流の暗殺者として活躍できるレベル。
しかし老ゴルゴは命じる。
「ワシを殺せたなら、それは超一流じゃ」。
再び身に付けた張りぼてのせいではなく、辺りを包む殺気に、数十年は若返ったゴルゴ。
これまで手塩に かけてきた孫達が、様々な手段を尽くし迫り来るも、ことごとく殺す。
向こうに ためらう気持ちが見えたなら、尚の事 熱意を燃やして…。
最後の一人を始末した後、独り言つ。「俺は子孫に恵まれなかった…」。
その時 眉間に銃弾が!
遥か彼方で、選に洩れた息子が呟く。
「アンタは大した男だよ。だが俺は、家族のカタキをとった。もう これで充分だ」
銃を置き、去る。
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この「最終回」を讀んで思つたんですが、今のゴルゴつて「2代目」なんぢや。もう40年も活動してゐるわけで。